2014年05月25日

寄沢のカジカガエル

5月24日、パートナー活動で行ったやどりき水源林は、オオルリやカジカガエルの鳴き声が迎えてくれました。
「フィフィフィフィ‥‥」と独特の鳴き声のカジカガエルは、昔はその鳴き声をめでる存在だったようです。

紀貫之は、「古今和歌集」の序文で、「花になくうぐひす、みずにすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。」と書いている。
「梅の花に鳴くウグイスや、清流に棲むカジカガエルの鳴き声を聞けば、だれだって和歌を詠まずにはいられない。」ということでしょうか、古来和歌の世界では、カエルといえばカジカガエルのことで、その鳴き声を詠むというのが、花に鳴くウグイスを詠むと同等の定番だったようです。
それだけ現在とは違い、人里の近くにカジカガエルが住める清流があったのでしょう。

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カジカガエル
鳴き声が聞こえる方に近づくと、2回程すぐ逃げられてしまいましたが、このカジカガエルは逃げずにじっとしていたので、うまいこと写真が撮れました。

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ガクウツギの上にいるワカバグモ
ガクウツギの上に昆虫らしきものがいたのでカメラで写しましたが、後で画像を見ると足が8本ある。調べると「ワカガグモ」という明るい緑色が綺麗なクモでした。

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マルバウツギ
この時期、ヒメウツギは花の盛りが終わり、マルバウツギが満開でした。ウツギはまだ蕾状態で、開花はもう少し先のようです。
posted by Forester at 18:54| やどりき水生

2014年05月17日

水生・土壌 自主研修会を実施

豊かな水に恵まれたやどりき水源林では、毎年様々な機会で水生生物観察会が催され、多くの参加者に楽しんでもらっています。
そこで、やどりき水生・土壌班では、指導者養成のための水生・土壌生物 自主研修会を17日に実施しました。
午前中は座学、午後は採集・観察を行い、水生生物の採集方法や見分けのポイントを学びました。

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午前中は、やどりき水源林の休憩棟でプロジェクターを用い座学を行いました。

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午後は、4つのグループに分かれ寄沢を中心に採集を行いました。

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採集した資料を持ち寄り、観察・同定を行なっている様子です。

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採集した水生生物の一部。上がカミムラカワゲラ、下がエルモンヒラタカゲロウ。
posted by Forester at 23:11| やどりき水生

2014年05月12日

やどりき水源林の各種ウツギ

5月11日は、やどりき調査活動の植物班で、やどりき水源林のウツギ調査活動が行われました。好天に恵まれ、ドクウツギを除く12種の「ウツギ」を見ることができました。

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ツクバネウツギ
花冠基部に特徴的な5枚のがく片があり、これが羽根つきの羽(衝羽根(つくばね))に似ていることからこの名前がついたそうです。
ウツギ(空木)は茎の中が空洞であることからその名前がつきましたが、ユキノシタ科のウツギが中空であるのに対し、スイカズラ科のツクバネウツギは茎の中が空洞になっていません。

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ニシキウツギ
ニシキウツギ(二色空木)の花は最初が白で、徐々に紅色になり、全体的に二色の花がついているように見えることからこの名前がついています。白い花が多いウツギの種類の中ではひときわ目立つ存在です。
撮影した5月11日は咲き始めなので、花の色はまだ白のままです。

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ベニバナニシキウツギ
ベニバナニシキウツギの蕾。ニシキウツギと異なりこちらははじめから濃い紅色です。
posted by Forester at 21:32| やどりき植物

2014年05月04日

風薫る五月の水源林

今日5月4日は緑の日。やどりき水源林は絶好の晴天に恵まれ、青葉若葉は日の光に照らされて輝いていました。
梢ではオオルリがさえずり、沢からはカジカガエルの鳴き声が聞こえ、一年で最も生命感あふれる季節のスタートです。
ヒメウツギが満開です。マルバウツギはつぼみをつけていました。これから7月のフジウツギまで、11種類のウツギが次々と開花して行きます。やどりき水源林は各種ウツギの宝庫です。

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寄大橋から上流を望む

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林道終点付近の寄沢

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透き通るように輝く若葉

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満開のヒメウツギ
posted by Forester at 23:35| 水源林トピックス

2014年04月28日

やどりき水源林のスミレ

春の妖精、スミレの花。昨日(27日)やどりき水源林に行った仲間からスミレの写真を送ってもらいました。
日本に野生のスミレ類は50種以上、変種も含めると200種類に及ぶとのこと。花の形や色、葉っぱの形、毛の有無、托葉の有無、花の距(きょ)の形状などを頼りに見分けるのですが、なかなか厄介です。
スミレの分類では最初に茎があるかないかに分け、さらに細かく調べて行きます。
まだ丹沢・箱根辺りでは、この連休中スミレを多く見つけることができます。図鑑とカメラを持ってスミレ探しに出かけましょう。

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「ツボスミレ」
別名ニョイスミレ。スミレの中でいちばん花が小さい。花は白色で赤紫のすじ模様があるのが特徴で、茎があるスミレの仲間です。

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「アカネスミレ」
花の色が茜色なのでこの名がつきました。全体に短い毛が生えるのが特徴で、地上茎のないスミレの仲間です。

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「エイザンスミレ」
葉が裂けるスミレを見たらエイザンスミレかヒゴスミレです。葉の付け根が5つに分かれていればヒゴ、3つに分かれていればエイザン。花の色はエイザンが赤みがかっているのに対し、ヒゴは白が多い。地上茎のないスミレの仲間です。
posted by Forester at 22:30| やどりき植物

2014年04月21日

ヤマブキの季節

サクラの花が終わり、今、やどりき水源林はヤマブキの花盛りです。林道際の斜面のあちこちに、ヤマブキの垂れ下がるようにして咲く黄色い花を見つけることができます。地下茎で繁殖し、所々で群落をつくっています。
そしてヤマブキの花が終わるころ、やどりき水源林は各種ウツギの花盛りとなります。

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ヤマブキの花(撮影:4月20日)

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ヤマブキの花の近くで、コナラが芽吹いていました。地味ですが、 房になっているのがコナラの花(雄花)です。この房状の花が間もなく伸びて垂れ下がるようにして咲きます。
posted by Forester at 23:52| やどりき植物

2014年04月20日

インストラクターのクラフト研修会

かながわ森林インストラクターの会は、県、学校、企業、団体などの要請に応じ森林づくり、自然観察、木工クラフトなどの指導や、各種イベントの支援などの活動を行っていますが、本日(4月20日)は、やどりき水源林でクラフト制作の内部研修会を行いました。

参加者は23名。午前中は5つの班に分かれて、書けない鉛筆、ミニ下駄、ウグイス笛、竹の知恵の輪、ロケットラワンをベテラン会員の指導のもと、順番に作って行きました。そして午後には木の実のオブジェの制作を行い、クラフトの腕を磨きました。

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ミニ下駄の制作風景

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書けない鉛筆、ミニ下駄、ウグイス笛、竹の知恵の輪、ロケットラワン、2人分の作品

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木の実のオブジェの作品。斜めカットの木の枝がユニーク。
posted by Forester at 23:23| インストラクター活動全般

2014年04月15日

水源林の「ゴッドファーザー」

ニホンカモシカというと、国の特別天然記念物に指定されており、日本アルプスなどの山奥にいるイメージですが、ここやどりき水源林にも何頭か生息しているようで、たまに目にすることがあります。
シカは警戒心が強く、人の気配がすると一目散に逃げますが、カモシカはそれほどでもなく、悠然と構えてじっとこちらを見ていることがあります。

今年は雪が多かったせいで餌の関係でしょうか、人目に触れるところにも結構現れています。特にこのカモシカは立派なあごひげ(?)をたくわえた、壮健で立派な成獣で、威風堂々としたその姿は、水源林の「ゴッドファーザー」と呼ぶにふさわしい貫禄です。

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林道を少し上がったところから、じっとこちらを見つめています。

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立派なひげをたくわえています。
posted by Forester at 11:46| やどりき動物

2014年04月13日

「トウゴクサバノオ」その名の由来

人工林が多いやどりき水源林ですが、よく見ながら歩いていると、多彩な植物に出会うことができます。4月12日に訪問した会員から可憐な花の写真を送ってもらいました。
その名も“トウゴクサバノオ”。
黄色味を帯びた白い花弁と思われるのは萼で、花弁は蜜を分泌する蜜弁となっています。萼のつけ根のオレンジ色の部分がそれです。

それにしても、サバノオという名はどこからくるのでしょう。トウゴクサバノオは漢字で書くと「東国鯖の尾」で、果実が鯖の尾のようだからだそうです。
もうすぐ花の後に、写真のようにサバの尾が広がったような果実を見ることができます。

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トウゴクサバノオの花

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トウゴクサバノオの果実
posted by Forester at 22:42| やどりき植物

2014年03月27日

青空に映えるフサザクラの赤

3月中旬から下旬にかけて、やどりき水源林の沢沿いのあちこちで、赤い房状のフサザクラの花を見ることができます。
花びら(花べん)はなく、赤く房状に見えるのはおしべの葯です。雌雄同株の両性花で、おしべ(葯)の根元に緑色のめしべが隠れるように多数あります。

“サクラ”の名前が付いていますが、サクラ(バラ科)とは関係なく、フサザクラ科の1科1種の日本固有種です。樹皮の皮目がサクラに似ていて、花が房状に見えることからフサザクラの名前が付いたようです。

フサザクラは渓畔林の代表的な樹木です。崩壊地に真っ先に侵入し、崩れやすいガレのような急傾斜地や、岩がごろごろした沢筋になどの裸地に定着します。
定着すると次々と萌芽して株立ち樹形となり、岩の間などにしっかり根をはります。
そして、土砂崩壊や増水によって幹が傾き倒れたとしても、萌芽幹が倒れた幹にとって代わる事ができます。このため、他の樹種が生存困難な崩壊地でも存続することができ、沢沿いなどで独特の景観をつくっています。

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フサザクラの花

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萌芽して株立ち状になった樹形と、岩の間にしっかりはった根
posted by Forester at 15:18| やどりき植物