2017年07月02日

土壌生物・水生生物の調査

私たちの足もとには思いもよらないにぎやかな世界が広がっています。そして水の中は水生生物の世界です。これらの生き物は、生態系の底辺を支える重要な役目を担っています。
やどりき水源林での、土壌生物調査、水生生物調査の様子を紹介します。(6月24日実施)

【土壌生物調査】
@フルイ法:土を掘り、フルイで土をふるって虫を見つける。

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調査地点で、50cm四方の枠を作り、10cmほど土を掘り持ち帰ります。

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白いビニルシートの上で土をフルイにかけます。見つけた虫を、ピンセットや箸、吸虫管で採取します。

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採取した虫を観察します。今回はデジタル顕微鏡・タブレットを用いて、参加者全員で観察しました。

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アヤトビムシ科(体長2〜3mm)

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推定:アワフキorヨコバイ類(カメムシ目)の幼虫(体長5〜6mm)

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ヒゲナガトビムシ科(体長2〜3mm)

Aツルグレン装置
フルイ法では微細な虫を採取することは困難です。ツルグレン装置は漏斗(ろうと)の上に金網(ざる等)をかぶせ、その上に土をのせます。上から熱をかけることで虫は下の方に逃げ、漏斗の下に落下します。漏斗の下に置いた容器に落ちた虫を観察します。今回は熱源として使い捨てカイロを使用しました。
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容器(シャーレ)には水が張ってあります。2匹の甲虫の幼虫が、表面張力で水面に浮いた状態でバトルを繰り広げていました。顎の大きい黒い方(約5mm)が白い方(約7mm)に襲いかかり、ほどなくして白い方は水底に沈みました。恐るべし土壌生物の弱肉強食の世界。(虫の周囲の光の点は、水面に反射したLEDの光です。)

【水生生物調査】
やどりき水源林では、「水源林の集い」やネットワーク活動で、水生生物観察を行っています。今回、各沢の水生生物調査を行いました。

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沢で採取した水を白ハットに移し、水生生物を抽出します。

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カワトンボの仲間幼虫

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寄沢からは、カジカガエルの鳴き声が聞こえてきます。鳴くのに夢中で近寄っても逃げません。

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カジカ。頭や胸ビレが大きいのが特徴。川底の色によく似た色彩です。
posted by Forester at 00:10| やどりき水生

2014年05月25日

寄沢のカジカガエル

5月24日、パートナー活動で行ったやどりき水源林は、オオルリやカジカガエルの鳴き声が迎えてくれました。
「フィフィフィフィ‥‥」と独特の鳴き声のカジカガエルは、昔はその鳴き声をめでる存在だったようです。

紀貫之は、「古今和歌集」の序文で、「花になくうぐひす、みずにすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。」と書いている。
「梅の花に鳴くウグイスや、清流に棲むカジカガエルの鳴き声を聞けば、だれだって和歌を詠まずにはいられない。」ということでしょうか、古来和歌の世界では、カエルといえばカジカガエルのことで、その鳴き声を詠むというのが、花に鳴くウグイスを詠むと同等の定番だったようです。
それだけ現在とは違い、人里の近くにカジカガエルが住める清流があったのでしょう。

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カジカガエル
鳴き声が聞こえる方に近づくと、2回程すぐ逃げられてしまいましたが、このカジカガエルは逃げずにじっとしていたので、うまいこと写真が撮れました。

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ガクウツギの上にいるワカバグモ
ガクウツギの上に昆虫らしきものがいたのでカメラで写しましたが、後で画像を見ると足が8本ある。調べると「ワカガグモ」という明るい緑色が綺麗なクモでした。

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マルバウツギ
この時期、ヒメウツギは花の盛りが終わり、マルバウツギが満開でした。ウツギはまだ蕾状態で、開花はもう少し先のようです。
posted by Forester at 18:54| やどりき水生

2014年05月17日

水生・土壌 自主研修会を実施

豊かな水に恵まれたやどりき水源林では、毎年様々な機会で水生生物観察会が催され、多くの参加者に楽しんでもらっています。
そこで、やどりき水生・土壌班では、指導者養成のための水生・土壌生物 自主研修会を17日に実施しました。
午前中は座学、午後は採集・観察を行い、水生生物の採集方法や見分けのポイントを学びました。

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午前中は、やどりき水源林の休憩棟でプロジェクターを用い座学を行いました。

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午後は、4つのグループに分かれ寄沢を中心に採集を行いました。

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採集した資料を持ち寄り、観察・同定を行なっている様子です。

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採集した水生生物の一部。上がカミムラカワゲラ、下がエルモンヒラタカゲロウ。
posted by Forester at 23:11| やどりき水生