2018年04月13日

やどりき水源林の春

4月のやどりき水源林は、スミレ等の小さい野草が足元を覆い、ヤマブキの黄い花、モミジイチゴの白い花が林内を彩ります。そして、林では鳥のさえずり、沢からはカジカガエルの鳴き声も聞こえ、一年で最も生命力あふれる季節です。
4月7日に観察・撮影した植物などを紹介します。

スミレの仲間

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タチツボスミレ:もっともふつうに見られるスミレ。(立坪菫)の坪とは庭を指し、身近に見られて立つように生えることに名前が由来する。花は淡紫色で変化が多い。花柄(花をつけている柄の部分)は無毛。葉は卵形。托葉はくしの歯状。

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オトメスミレ(シロバナタチツボスミレ):タチツボスミレの白花品種には、「オトメスミレ」がありますが、オトメスミレは距に赤紫色が残ったもので、距まで全部白いものを「シロバナタチツボスミレ」としています。中間的なものも多く、写真の個体は、左の花には距に赤紫色がわずかにあるようなので、オトメスミレのように見えますが、断定するにはもっと詳しく観察しておけばよかったと思います。スミレの同定はなかなか難しいです。

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エイザンスミレ:葉が細かく裂れこむスミレは本種とヒゴスミレだけである。葉の付け根が5つに分かれているのがヒゴ、3つに分かれているのがエイザンである。種類が多く見分けにくいスミレが多い中でも本種は見分けやすい。

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ニョイスミレ:別名ツボスミレ。花は白色で小さく、下弁には赤紫色の脈がはっきり出る。距(花の後部の突起部分)は短くぽってりしている。葉は心形〜腎形。スミレの仲間の中では花期が遅く、この個体もちょうど花が開き始めた頃である。

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アカネスミレ:花の色が茜色なのでこの名がある。全体に短い毛が生えるのが特徴。

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ナガバノスミレサイシン:その名のとおり、長い葉をもつ大型のスミレである。サイシンは、葉の形がウスバサイシン(ウマノスズクサ科)に似ていることから付けられた。花色は白に近い淡紫色〜淡青紫色。

その他の野草

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ミヤマキケマン:花は総状花序につき、狭長楕円形。ミヤマの名前があるが深山には生えない。山地の河原や低地の崖などの土が崩れているような所に生える。

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ジロボウエンゴサク:エンゴサク(延胡索)の仲間は、地下に塊茎を作る多年草。昔、スミレを太郎坊(タロボウ)、このエンゴサクを次郎坊(ジロボウ)と呼び、2つの花の距を引っ掛けて引き合うという子供の遊びから、ジロボウエンゴサクの名前がつけられた。

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ヤマルリソウ:林道で、星のように輝くヤマルリソウがたくさん咲いているのを見つけました。

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ミヤマハコベ:花弁は5枚だが、深く2裂するので10弁花に見える。深山に多いわけではなく、山の中で普通に見られる。

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トウゴクサバノオ:キンポウゲ科。花が終わると緑色の細長い実が2つ、対になってつく。これが鯖の尾のようだということと、関東地方に多いことから「東国鯖の尾(とうごくさばのお)」の名が付けられた。

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ウラシマソウ:花の中から伸びた糸状の付属体がよく目立つ。これを浦島太郎の釣り糸に見立ててこの名がある。長く伸びた糸の部分は、昆虫(キノコバエ)を花の内部にまで誘導する誘導路であると考えられている。

花の咲く木

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ミツバアケビ:アケビとともに秋の味覚として親しまれてきたつる性の植物で、3枚の小葉があることからミツバアケビとよばれる。花序の先端に十数個の小型の雄花を10〜30個ほどつけ、基部に大型の雌花を1〜3個つける。

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ヤマブキ:低山や丘陵地に普通に生える落葉の低木。美しい山吹色の花が咲くので『万葉集』にも詠まれるなど、古くから観賞されてきた。太田道灌の逸話は有名。

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モミジイチゴ:葉の形がモミジに似ているというので、モミジイチゴという名がついた。白い花が下向きに咲く。果実は5月頃に黄色に熟す。食べると美味しい。

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クロモジ:雌雄異株で、葉に先だって葉脇に淡黄緑色の小花を密集してつける。めしべの花柱が見えないので、この木は雄株と思われる。

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アブラチャン:花は同時期に咲く同じクスノキ科のダンコウバイとよく似ているが、花柄がつくので区別はできる(ダンコウバイは花柄がない)。

春の息吹

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ヤマアカガエルの卵:ヤマアカガエルの成熟した雌は毎年ひとつの卵塊を産む。早春に卵を産むのは、水生昆虫やヘビなどの天敵を避けてなるべく早くオタマジャクシを大きくする戦略だと言われている。
一方、沢筋に多く生息するカジカガエルは、流れのある沢の砂地に産むことで天敵から卵を守っている。そのため、産卵は4月から7月まで長い期間にわたる。

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芽吹き始めた樹木と青い空。風薫る五月ももうすぐ。
posted by Forester at 22:41| 水源林トピックス

2017年12月08日

晩秋の水源林

四季折々、行くたびに違う姿を見せてくれるやどりき水源林ですが、11月中旬から12月上旬にかけて、紅葉に染まる水源林は一見の価値があります。12月2日の水源林の様子です。

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寄大橋の上から下流側を望むと、赤、黄、緑のパッチワークのような山肌が目に焼き付きます。

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様々な活動の拠点になっている集会棟も、落葉の向こうにひっそりとたたずんでいます。

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林道側から見た集会棟と黄葉。

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林道を歩いていると、鮮やかなイロハモミジの紅葉が目に留まります。

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イロハモミジの向こうから、堰堤を落ちる水音が少し寂しげに響いてきます。

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紅葉とススキ。

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10月頃と4月上旬頃の年2回開花するジュウガツザクラは、この時期もチラホラ花を咲かせています。

この日は普及啓発部会の研修を行いました。テーマは「木育」です。
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posted by Forester at 21:17| 水源林トピックス

2017年08月12日

やどりき水源林のつどい

8月5日“第16回やどりき水源林のつどい”が開催され、やどりき水源林は多くの来訪者でにぎわいました。かながわ森林インストラクターの会は、トレッキング、水生生物観察、森の癒し体験や、交流会会場での丸太切り、クラフトワークなど、多彩なプログラムで、県民の皆様と交流を行いました。
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【午前】水源林トレッキング・水生生物観察・森林癒やし
水源林トレッキング
成長の森・林道・周遊Bコースに分かれ、木々や草花の観察や植樹した木々の生長の見学などを行いました。
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出発前の準備(ヒル除け対策)

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案内板でこれからの行程を説明

水生生物観察
寄沢に住む水生生物の観察を行い、水の中に住む多様な生物を見ることが出来ました。
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寄沢全景

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水生生物の採集

森林癒し体験
やどりき水源林の自然の中に浸り、心と体をリフレッシュしました。
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林の中で横になり、樹冠のゆらぎを感じ、鳥の声に耳を傾けます。

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ハンモックに寝そべり森林浴。沢の水音が心地よいです。

【午後】森林交流会(林間広場にて)
丸太切り体験やクラフト・草笛ほか多数のブースを用意し、参加したみんなさんに楽しんでもらえるよう指導にあたりました。
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クラフトワーク

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丸太切り

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森林癒しブース

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もり・みずカフェのブース

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水生生物観察ブース

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土壌生物観察ブース

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スイカ割り

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寄祭囃子(三ヶ村祭囃子保存会)

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しずくちゃん、ウォービーくん、かなりんちゃん

会場近くで咲いていた花
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ミゾホウズキ(山野の流れのそばに咲きます。)

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ヒヨドリバナ(晩夏から秋にかけて咲きます。フジバカマの仲間)
posted by Forester at 16:32| 水源林トピックス

2017年04月20日

4月のやどりき水源林

4月のやどりき水源林はにぎやかです。マメザクラ、ソメイヨシノ、ジュウガツザクラなどの桜の仲間が開花し、クロモジ、アブラチャンなどは林間で控えめに咲いています。
足元では、ヤマルリソウやフデリンドウ、ミヤマキケマンなどを観察することが出来ます。
そして春は小鳥たちにとって恋の季節。林の中からは、シジュウカラ、ホオジロなどのさえずりが聞こえ、姿を見ることが出来ます。
カエルたちも卵を産み始めました。

【足元の花】
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ミヤマキケマン:「ミヤマ」の名があるが、深山に生えるわけではありません。日当たりのよい山地や林の縁に多く生えます。

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フデリンドウ:「リンドウ」は秋の花のイメージが強いが、春に咲くのもあります。最も普通なのは本種で、日当たりのよい林縁や草地に生えます。つぼみの形が筆の穂先のようなのでこの名が付きました。

【鳥】
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ホオジロ:名は「頬白」ですが、実際に細長い白斑があるのは目下あたり。繁殖期には高い枝先で長く美しい声でさえずります。


【カエル】
やどりき水源林では、ヤマアカガエル、アズマヒキガエル、カジカガエルの3種類のカエルが確認されています。4月中旬以降からは、カジカガエルの鳴き声を聞くことが出来ます。

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ヤマアカガエル:体長は5cmほど。色は赤みがかった褐色で、背面には筋状の隆起(背側線)がある。ヤマアカガエルの卵塊は、ゼリー状のかたまりになっています。

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アズマヒキガエル:体長は10cmを越え、どっしりと大きい。アズマヒキガエルの卵塊は、透明な長いチューブ状になっています。

【アズマヒキガエルの抱接】
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下にいるのがメス。上に重なって抱きしめているのがオスです。ほとんどのカエルがメスの方が大きく、2倍ぐらい違うものもいます。
水のない所で暮らしているカエルも、受精する時は水辺にやってきます。そして水の中で、オスがメスの背中の上に乗り、前肢でメスの腹を抱きかかえます。これは“抱接”と呼ばれる行動で、体外受精のカエルは“交尾”はしません。 オスがメスの腹を強く押すことにより、メスは卵を放出します。オスはその上から精子を放出して受精させるのです。
繁殖期のオスにはメスを抱接する際に滑り止めとして後肢にコブ(婚姻瘤)ができ、これでメスに抱きつき、ちょっとやそっとのことでは離れることがありません。
posted by Forester at 13:12| 水源林トピックス

2017年03月21日

やどりき事業部会活動説明会を実施しました

かながわ森林インストラクターの会の活動拠点「やどりき水源林」では、水源林の保全・再生活動に対する理解を深めることを目的に、水源林を巡る案内人活動や、植物、動物、土壌水生生物などの調査活動を行っています。そして、毎年3月には登録会員が集まり、この一年間の活動報告、来期に向けての活動計画を話し合います。
今年は、3月19日に話し合いを行い、その後林内の清掃を行いました。

<やどりき事業部会活動説明会>
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やどりき事業部長からの全体説明

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各班(植物、動物、土壌水生生物)の報告。写真は植物班の報告。

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全体説明・報告の後は、各班に分かれて来期の活動の立案を行いました。写真は上が動物班、下が土壌水生班。

<林内の清掃>
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近年、やどりき水源林でもヤマビルが多く発生しています。ヒルは落葉の下に隠れていることが多いので、周遊道の落ち葉掻きを行いました。

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林内のゴミ拾い。多くのゴミが集まりました。

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樹名板は、コケで文字が読みにくくなっているものもあるので、消毒液で表面をきれいにしました。

<やどりき水源林の風景>
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やどりき水源林にはミツマタの群落が点在しています。例年、3月中旬〜4月上旬に花の見頃となりますが、今年は開花が早いようで、すでに満開でした。

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やどりき水源林入り口のゲート横に「寄大橋」があります。昨年秋に改修して朱色のアーチが鮮やかです。木々の葉が色づけば、赤と緑のコントラストが見事になるでしょう。
posted by Forester at 16:04| 水源林トピックス

2016年12月19日

しめ縄作りと山の神祠の大掃除

やどりき水源林の林内には、山での活動の安全を祈願する「山の神」を祀る祠があります。そして、毎年年末には祠の大掃除を行っています。今年も森林文化部会が主催し、有志が集まり、しめ縄作りと大掃除を行いました。

しめ縄作り

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藁に水をかけ湿らせます。こうすることで藁の強度が上がります。

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木槌で叩いてしごきます。藁に柔軟性が加わり作業がしやすくなります。

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藁を束ねて3分割し、縄ないを行います。

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ごぼう締めの完成

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ごぼう締めした藁を丸く束ねます。

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完成。これに、紙垂(しで)や橙などをあしらえます。

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山の神の祠に飾るしめ縄は、藁をつぎ足しながら長くして行きます。

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紙垂(しで)も用意します。

山の神祠の大掃除

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先ず、祠の周囲をきれいにします。

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ご神木もきれいに。

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古いしめ縄は取り外します。

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祠のしめ縄を新しいものに付け替えました。

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鳥居のしめ縄も新しくしました。

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大掃除、しめ縄の取り換えが終わり、正月に行う山の神祭の準備が出来ました。
posted by Forester at 16:59| 水源林トピックス

2016年05月04日

新緑の水源林

この時期やどりき水源林を訪れると、オオルリなどの夏鳥やカジカガエルが、美しい鳴き声で出迎えてくれます。
やどりき水源林中央部を流れる寄沢は、コシバ沢、水棚沢、後沢などの流れを集め水量豊です。沢を覆う新緑のトンネルの中に入ると、差し込む光と水しぶきが奏でる、光と音の競演に圧倒されます。

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■沢の岸辺には、ウワミズザクラとヒメウツギが咲いていました。
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ウワミズザクラ

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ヒメウツギ
posted by Forester at 20:45| 水源林トピックス

2016年04月11日

4月10日の水源林

早春の水源林を飾ったミツマタやフサザクラはそろそろ峠を越え、ミツバツツジやヤマブキなど仲春〜晩春の花にバトンが移ってきました。
ウツギの中でも早く花を咲かせるヒメウツギはつぼみを付け、木々の芽吹きも始まり、水源林の春は駆け足で通り過ぎて行きます。

■ミツバツツジ:紅紫色の花が遠くからよく目立ちます。ミツバツツジの名がつく種は多くありますが、多くは雄しべが10本なのに対し、本種は5本であることが大きな特徴です。
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■ヤマブキ:花は鮮やかな黄色で、この時期山野を訪れると、山腹の麓側に垂れ下がっているのをよく見かけます。
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■水源林の脇役、クロモジとアブラチャン。共にクスノキ科クロモジ属なので、株立ち状の樹形はよく似ています。共に早春に淡黄色の花を房状に多くつけ、水源林のアクセントになっています。
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クロモジ:名前の由来=樹皮に現れる黒い斑点を文字になぞらえたため。

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アブラチャン:名前の由来=種子や樹皮に油が含まれ、生木でも燃えることから。チャンはコールタールなどの総称。

■ヒメウツギのつぼみ:4月中旬から7月まで、各種ミツマタが水源林を彩ります。トップバッターがヒメウツギです。
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■太郎坊と次郎坊。
今の子供たちの遊びは、テレビゲームやスマホですが。昔は野原が子供たちの遊び場でした。春になると、子供たちは、太郎坊(スミレ)と次郎坊(ジロボウエンゴグサ)の距(花のうしろ側の蜜がたまる突起)をからませて引っ張って遊んだそうです。
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タチツボスミレ

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ジロボウエンゴサク

■100mの高度を増すごとに気温は0.6度Cずつ下がると言われています。やどりき水源林の高度は約450m。そのため平地に比べ、気温は3度ほど低く、平地ではほぼ散ったソメイヨシノの花も、当地では今が満開でした。
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ソメイヨシノ

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ヤマザクラ:山肌に白く清楚な花が目立ちます。

■花芽とつぼみ。植物は成長していく過程で芽(花になるのが花芽、葉になるのが葉芽)、つぼみ、花と変化していきます。ソメイヨシノで花芽とつぼみを見て行きましょう。
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花芽:つぼみが少し顔を出しています。

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つぼみ:一つの花芽から、3〜4本のつぼみが出てきます。

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開花

■カモシカ。この春、やどりき水源林ではカモシカが頻繁に目撃されています。ここを棲家に選んだのでしょうか。
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posted by Forester at 16:51| 水源林トピックス

2016年03月28日

早春の水源林

三寒四温を繰り返しながら、やどりき水源林にも春がやってきました。
ミツマタやキブシなどの樹木は花を咲かせ、落ち葉の中にもかわいい花がたくさん咲いています。春の陽気に誘われて、水源林の生きものは活発に動き始めました。ムササビは巣穴から顔を出し、ウグイス、シジュウカラ達のさえずりが聞こえます。そして、何かの動物の落とし物も、イノシシ、クマ?

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ミツマタ:やどりき水源林のこの時期の主役。いくつかの群落があり、黄色い花が林床を覆います。

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キブシ:早春の山林をカンザシ状に垂れ下がった花で彩ります。

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マメザクラ:下向きに花を付ける特徴があります。フォッサマグナ要素の植物で、富士山周辺に多いことから、フジザクラとも呼ばれます。

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アセビ:つぼ型の鈴のような白い花をたくさん咲かせます。少し標高が高い地域に分布します。

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タチツボスミレ:最も普通に見られるスミレ。花言葉「つつましい幸福」

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ヤマルリソウ:沢沿いなど湿り気のある道端で見つけることが出来ます。名前は、山に生育し瑠璃色の花をつけることに由来します。

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ムササビ:眠りから覚めたばかりでしょうか。巣穴から顔を出し、しばらくじっとしていました。

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誰の落とし物? クマ、イノシシ?
posted by Forester at 17:36| 水源林トピックス

2016年01月20日

山の神祭2016

1月17日、やどりき水源林で、この一年の活動の安全を祈願する「山の神祭」を行いました。
山の神祭は、神奈川県では、正月、5月、9月のそれぞれ17日に行われており、この日は、林業関係の方は山の神を祀る神社で、業務の安全を祈願します。
かながわ森林インストラクターの会では、毎年1月17日に近い1月第2or第3日曜日に実施しています。

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山の神祭の運営を担当している森林文化部会メンバーで事前準備を行いました。

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”山の神祭”式次第

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神主役の会員による祝詞奏上

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玉串奉奠(たまぐしほうてん):榊(サカキ)を神前にお供えします。

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二礼二拍手一礼:静かな林内に拍手が響きます。

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直会(なおらい)の儀:お神酒をいただきました。

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祭事の直会は礼講として神聖に執り行いましたが、祭事終了後の直会は無礼講です。奉納されたお酒や、縁起もののスルメやめざしをいただき、会員間の親交を深めました。お酒の量も多く、最後は皆さんすっかり出来上っていた様です。

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水源林入り口のジュウガツザクラが、ちらほら咲いていました。

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式典の後、松田駅近くの割烹旅館で、新年会・14期生歓迎会を行いました。
posted by Forester at 23:24| 水源林トピックス