2014年03月27日

青空に映えるフサザクラの赤

3月中旬から下旬にかけて、やどりき水源林の沢沿いのあちこちで、赤い房状のフサザクラの花を見ることができます。
花びら(花べん)はなく、赤く房状に見えるのはおしべの葯です。雌雄同株の両性花で、おしべ(葯)の根元に緑色のめしべが隠れるように多数あります。

“サクラ”の名前が付いていますが、サクラ(バラ科)とは関係なく、フサザクラ科の1科1種の日本固有種です。樹皮の皮目がサクラに似ていて、花が房状に見えることからフサザクラの名前が付いたようです。

フサザクラは渓畔林の代表的な樹木です。崩壊地に真っ先に侵入し、崩れやすいガレのような急傾斜地や、岩がごろごろした沢筋になどの裸地に定着します。
定着すると次々と萌芽して株立ち樹形となり、岩の間などにしっかり根をはります。
そして、土砂崩壊や増水によって幹が傾き倒れたとしても、萌芽幹が倒れた幹にとって代わる事ができます。このため、他の樹種が生存困難な崩壊地でも存続することができ、沢沿いなどで独特の景観をつくっています。

フサザクラの花.jpg
フサザクラの花

フサザクラの根.jpg
萌芽して株立ち状になった樹形と、岩の間にしっかりはった根
posted by Forester at 15:18| やどりき植物