足元では、ヤマルリソウやフデリンドウ、ミヤマキケマンなどを観察することが出来ます。
そして春は小鳥たちにとって恋の季節。林の中からは、シジュウカラ、ホオジロなどのさえずりが聞こえ、姿を見ることが出来ます。
カエルたちも卵を産み始めました。
【足元の花】

ミヤマキケマン:「ミヤマ」の名があるが、深山に生えるわけではありません。日当たりのよい山地や林の縁に多く生えます。

フデリンドウ:「リンドウ」は秋の花のイメージが強いが、春に咲くのもあります。最も普通なのは本種で、日当たりのよい林縁や草地に生えます。つぼみの形が筆の穂先のようなのでこの名が付きました。
【鳥】

ホオジロ:名は「頬白」ですが、実際に細長い白斑があるのは目下あたり。繁殖期には高い枝先で長く美しい声でさえずります。
【カエル】
やどりき水源林では、ヤマアカガエル、アズマヒキガエル、カジカガエルの3種類のカエルが確認されています。4月中旬以降からは、カジカガエルの鳴き声を聞くことが出来ます。


ヤマアカガエル:体長は5cmほど。色は赤みがかった褐色で、背面には筋状の隆起(背側線)がある。ヤマアカガエルの卵塊は、ゼリー状のかたまりになっています。


アズマヒキガエル:体長は10cmを越え、どっしりと大きい。アズマヒキガエルの卵塊は、透明な長いチューブ状になっています。
【アズマヒキガエルの抱接】

下にいるのがメス。上に重なって抱きしめているのがオスです。ほとんどのカエルがメスの方が大きく、2倍ぐらい違うものもいます。
水のない所で暮らしているカエルも、受精する時は水辺にやってきます。そして水の中で、オスがメスの背中の上に乗り、前肢でメスの腹を抱きかかえます。これは“抱接”と呼ばれる行動で、体外受精のカエルは“交尾”はしません。 オスがメスの腹を強く押すことにより、メスは卵を放出します。オスはその上から精子を放出して受精させるのです。
繁殖期のオスにはメスを抱接する際に滑り止めとして後肢にコブ(婚姻瘤)ができ、これでメスに抱きつき、ちょっとやそっとのことでは離れることがありません。