2016年04月11日

4月10日の水源林

早春の水源林を飾ったミツマタやフサザクラはそろそろ峠を越え、ミツバツツジやヤマブキなど仲春〜晩春の花にバトンが移ってきました。
ウツギの中でも早く花を咲かせるヒメウツギはつぼみを付け、木々の芽吹きも始まり、水源林の春は駆け足で通り過ぎて行きます。

■ミツバツツジ:紅紫色の花が遠くからよく目立ちます。ミツバツツジの名がつく種は多くありますが、多くは雄しべが10本なのに対し、本種は5本であることが大きな特徴です。
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■ヤマブキ:花は鮮やかな黄色で、この時期山野を訪れると、山腹の麓側に垂れ下がっているのをよく見かけます。
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■水源林の脇役、クロモジとアブラチャン。共にクスノキ科クロモジ属なので、株立ち状の樹形はよく似ています。共に早春に淡黄色の花を房状に多くつけ、水源林のアクセントになっています。
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クロモジ:名前の由来=樹皮に現れる黒い斑点を文字になぞらえたため。

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アブラチャン:名前の由来=種子や樹皮に油が含まれ、生木でも燃えることから。チャンはコールタールなどの総称。

■ヒメウツギのつぼみ:4月中旬から7月まで、各種ミツマタが水源林を彩ります。トップバッターがヒメウツギです。
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■太郎坊と次郎坊。
今の子供たちの遊びは、テレビゲームやスマホですが。昔は野原が子供たちの遊び場でした。春になると、子供たちは、太郎坊(スミレ)と次郎坊(ジロボウエンゴグサ)の距(花のうしろ側の蜜がたまる突起)をからませて引っ張って遊んだそうです。
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タチツボスミレ

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ジロボウエンゴサク

■100mの高度を増すごとに気温は0.6度Cずつ下がると言われています。やどりき水源林の高度は約450m。そのため平地に比べ、気温は3度ほど低く、平地ではほぼ散ったソメイヨシノの花も、当地では今が満開でした。
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ソメイヨシノ

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ヤマザクラ:山肌に白く清楚な花が目立ちます。

■花芽とつぼみ。植物は成長していく過程で芽(花になるのが花芽、葉になるのが葉芽)、つぼみ、花と変化していきます。ソメイヨシノで花芽とつぼみを見て行きましょう。
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花芽:つぼみが少し顔を出しています。

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つぼみ:一つの花芽から、3〜4本のつぼみが出てきます。

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開花

■カモシカ。この春、やどりき水源林ではカモシカが頻繁に目撃されています。ここを棲家に選んだのでしょうか。
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posted by Forester at 16:51| 水源林トピックス