2019年08月14日

環境教育

 地球温暖化など、環境問題の深刻化、複雑・多様化等を背景に、環境教育・環境学習の重要性を訴える声が高まりを見せる中、かながわ森林インストラクターの会は「環境教育」に力を入れています。
森林内でのさまざまな活動や、学校に訪問して行う「環境教室」のいくつかを紹介します。

1.森林内などでのさまざまな活動
かながわトラストみどり財団が行う、学校の森林学習等支援事業で、指導者として活動しています。
かながわトラストみどり財団の森林学習等支援事業⇒http://ktm.or.jp/contents/moridukuri/school.html

1-1.自然観察
実際に森林に入り、五感をとおして、体全体で「森」を感じます。そして、インストラクターの話を聞いて、森林の役割を目で確かめることができます。木や森林に興味・関心を持ち、「自分たちの生活とのつながり、木や森林の大切さ・すばらしさ・良さ」に気づき、理解することができます。
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1-2.間伐体験
グループで協力して間伐を行います。順番に鋸を使って切っていきます。木のいい香りが漂います。木を切ることで林内が明るくなることを感じることができます。林業のことや日本の森林の問題点、なぜ間伐が必要かなど、インストラクターからの説明を受け、間伐体験の目的を理解します。
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1-3.流れる水のはたらき
小学校5年次理科「流れる水のはたらき」の単元では、『川の様子を観察し、流れる水の速さや量によるはたらきの違い調べ、流れる水のはたらきと土地の変化の関係についての考えをもつようにする。』と定められています。
そこで、川の流れがカーブしているところで、ペットボトルを川の内側と外側に流し、流れの速さの違いを調べることで、内側の地形(河原)と外側の地形(崖)の違いを理解することができます。
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2.環境教室
神奈川県で実施している「かながわ環境教室」に4件のテーマを登録し活動しています。
かながわ環境教室⇒http://www.pref.kanagawa.jp/docs/ap4/cnt/f160450/index.html

2-1. 森が「緑のダム」になることがわかる実験
森がある土地の模型の箱と、ない土地の模型の箱に、それぞれジョウロで同じ量の水をかけ、箱の表面から流れ出た水と、土の中に浸み込んでから流れ出る水の、量の違い、色の違いを観察します。
森があることで、降った雨水の多くが浸み込んで土の中に貯めこまれ、その水がきれいな水になって徐々に流れ出るのを目の当たりにすることで、森の「緑のダム」としての働きを実感することができます。
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2-2. 木がためこんでいる二酸化炭素の量を測ろう
校庭に出て、各児童が割り当てられた木の幹の太さを測り、種類と太さを調査票に記録します。そして種類と太さがわかれば、調査票に記載されている表によって、測った木が1年間にためこんでいる二酸化炭素の量を割り出すことができます。校庭の木すべてを集計することで、学校林全体の二酸化炭素吸収量を知ることができます。そして、人が呼吸で出す二酸化炭素排出量と比較することで、樹木の二酸化炭素吸収量を実感することができます。
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2-3. 水の中の生き物ウォチング
校内の池(ビオトープ)やプール、近隣の池や川など、身の回りの水辺には、普段目にすることのないヤゴなどの水生昆虫や、ミジンコなどのプランクトンが生息しています。本授業では、これら水生生物を探し観察することで、水の中の生物の存在と多様性を気付かせ、水の中の生き物のつながり、環境とのかかわりを学びます。
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2-4. 土の中の生き物ウォチング
私たちの足もとには思いもよらないにぎやかな世界が広がっています。土の中の生き物は、よく見るとおもしろい姿形をしたものがたくさんいます。しかも、かれらは生態系のなかで大切なはたらきをしているのです。
・身近な落ち葉や枯れ草、土の中の土壌生物の存在と多様性を気付かせる。
・土壌生物を採取・観察し、植物と動物、動物と動物、自然と生物のつながりに気付かせる。
・調査した結果や資料などを活用し、生物と環境とのかかわりについて理解を深める。
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posted by Forester at 20:12| インストラクター活動全般

2019年03月05日

『森林探訪ガイドブック』販売中

森林インストラクターが力を集結して編集したガイドブックが完成しました。
詳細、お問い合わせは、下のチラシをご覧ください。

●チラシ(購入案内)↓:クリックで拡大
広告菊地さん.jpg

●目次↓:クリックで拡大
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posted by Forester at 23:32| インストラクター活動全般

2018年06月22日

水源の森林づくり街頭キャンペーン

6月1日(金)・2日(土)、横浜開港祭2018が開催されました。
かながわ森林インストラクターの会は、『水を育む森林の大切さ』を知っていただけるよう、(公財)かながわトラストみどり財団と共催でブースを設け、水源の森林づくり街頭キャンペーンを実施しました。
場 所:臨港パーク(横浜みなとみらい)
内 容:水源林紙芝居、森林クイズ、実験コーナー
    丸太切り体験、どんぐりクラフト等
参加者
 1日:参加者91名、インストラクター15名、財団1名
 2日:参加者371名、インストラクター17名、財団2名

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水源の森林づくりブース全景
背後にみなとみらいの高層ビル、そしてブースの前には海。緑にも恵まれた絶好のロケーション。「かながわ水源の森づくり」の青い旗が目印。

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ブース前
次々とお客さんが入ってきます。

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受付
水源林紙芝居、どんぐりクラフトを行うための受付です。また、寄付100円で1回ガラガラ抽選ができます。

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水源林紙芝居
『水を育む森林の大切さ』を知っていただけます。

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水源涵養実験
土だけの容器と植物が生えた容器にそれぞれ水をかけて、流れ出る水の様子を観察します。

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クラフトコーナー
手前が丸太切り、奥がどんぐりクラフトを製作するコーナー。

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どんぐりクラフトの製作
用意されたドングリに顔を書き、木の実や枝も使ってクラフトを製作します。

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ドングリクラフトのサンプル

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目の前の海では、アクアボード_フライングショーが行われていました。
posted by Forester at 17:13| インストラクター活動全般

2018年04月13日

やどりき水源林の春

4月のやどりき水源林は、スミレ等の小さい野草が足元を覆い、ヤマブキの黄い花、モミジイチゴの白い花が林内を彩ります。そして、林では鳥のさえずり、沢からはカジカガエルの鳴き声も聞こえ、一年で最も生命力あふれる季節です。
4月7日に観察・撮影した植物などを紹介します。

スミレの仲間

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タチツボスミレ:もっともふつうに見られるスミレ。(立坪菫)の坪とは庭を指し、身近に見られて立つように生えることに名前が由来する。花は淡紫色で変化が多い。花柄(花をつけている柄の部分)は無毛。葉は卵形。托葉はくしの歯状。

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オトメスミレ(シロバナタチツボスミレ):タチツボスミレの白花品種には、「オトメスミレ」がありますが、オトメスミレは距に赤紫色が残ったもので、距まで全部白いものを「シロバナタチツボスミレ」としています。中間的なものも多く、写真の個体は、左の花には距に赤紫色がわずかにあるようなので、オトメスミレのように見えますが、断定するにはもっと詳しく観察しておけばよかったと思います。スミレの同定はなかなか難しいです。

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エイザンスミレ:葉が細かく裂れこむスミレは本種とヒゴスミレだけである。葉の付け根が5つに分かれているのがヒゴ、3つに分かれているのがエイザンである。種類が多く見分けにくいスミレが多い中でも本種は見分けやすい。

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ニョイスミレ:別名ツボスミレ。花は白色で小さく、下弁には赤紫色の脈がはっきり出る。距(花の後部の突起部分)は短くぽってりしている。葉は心形〜腎形。スミレの仲間の中では花期が遅く、この個体もちょうど花が開き始めた頃である。

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アカネスミレ:花の色が茜色なのでこの名がある。全体に短い毛が生えるのが特徴。

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ナガバノスミレサイシン:その名のとおり、長い葉をもつ大型のスミレである。サイシンは、葉の形がウスバサイシン(ウマノスズクサ科)に似ていることから付けられた。花色は白に近い淡紫色〜淡青紫色。

その他の野草

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ミヤマキケマン:花は総状花序につき、狭長楕円形。ミヤマの名前があるが深山には生えない。山地の河原や低地の崖などの土が崩れているような所に生える。

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ジロボウエンゴサク:エンゴサク(延胡索)の仲間は、地下に塊茎を作る多年草。昔、スミレを太郎坊(タロボウ)、このエンゴサクを次郎坊(ジロボウ)と呼び、2つの花の距を引っ掛けて引き合うという子供の遊びから、ジロボウエンゴサクの名前がつけられた。

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ヤマルリソウ:林道で、星のように輝くヤマルリソウがたくさん咲いているのを見つけました。

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ミヤマハコベ:花弁は5枚だが、深く2裂するので10弁花に見える。深山に多いわけではなく、山の中で普通に見られる。

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トウゴクサバノオ:キンポウゲ科。花が終わると緑色の細長い実が2つ、対になってつく。これが鯖の尾のようだということと、関東地方に多いことから「東国鯖の尾(とうごくさばのお)」の名が付けられた。

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ウラシマソウ:花の中から伸びた糸状の付属体がよく目立つ。これを浦島太郎の釣り糸に見立ててこの名がある。長く伸びた糸の部分は、昆虫(キノコバエ)を花の内部にまで誘導する誘導路であると考えられている。

花の咲く木

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ミツバアケビ:アケビとともに秋の味覚として親しまれてきたつる性の植物で、3枚の小葉があることからミツバアケビとよばれる。花序の先端に十数個の小型の雄花を10〜30個ほどつけ、基部に大型の雌花を1〜3個つける。

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ヤマブキ:低山や丘陵地に普通に生える落葉の低木。美しい山吹色の花が咲くので『万葉集』にも詠まれるなど、古くから観賞されてきた。太田道灌の逸話は有名。

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モミジイチゴ:葉の形がモミジに似ているというので、モミジイチゴという名がついた。白い花が下向きに咲く。果実は5月頃に黄色に熟す。食べると美味しい。

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クロモジ:雌雄異株で、葉に先だって葉脇に淡黄緑色の小花を密集してつける。めしべの花柱が見えないので、この木は雄株と思われる。

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アブラチャン:花は同時期に咲く同じクスノキ科のダンコウバイとよく似ているが、花柄がつくので区別はできる(ダンコウバイは花柄がない)。

春の息吹

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ヤマアカガエルの卵:ヤマアカガエルの成熟した雌は毎年ひとつの卵塊を産む。早春に卵を産むのは、水生昆虫やヘビなどの天敵を避けてなるべく早くオタマジャクシを大きくする戦略だと言われている。
一方、沢筋に多く生息するカジカガエルは、流れのある沢の砂地に産むことで天敵から卵を守っている。そのため、産卵は4月から7月まで長い期間にわたる。

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芽吹き始めた樹木と青い空。風薫る五月ももうすぐ。
posted by Forester at 22:41| 水源林トピックス

2018年03月09日

森林インストラクターブラッシュアップ研修(無花粉スギ、コンテナ苗)

3月4日、今年度最後(第4回目)のブラッシュアップ研修が、県立21世紀の森で開催されました。
講師は神奈川県自然環境保全センター研究連携課の斉藤主任研究員。神奈川県が進めている「無花粉スギの育種」と、今後植栽木の主流となる「コンテナ苗」の扱いについて講義と現地での植栽方法を学びました。

1.無花粉スギの育種について

講義風景
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無花粉スギの原理
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雄花の採取風景
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通常のスギの雄花(左)、無花粉スギの雄花(右)
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チャック付きの袋に入れて雄花を観察。一見して同じように見えるが、割れ目が通常のスギ(左)が黄色に対し、無花粉スギ(右)は白っぽい。
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雄花をペンチでつぶした状態
通常のスギ(左)では多量の花粉を放出するが、無花粉スギ(右)では花粉は出ず不定形の塊りや液状の物質が出る。
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2.コンテナ苗植栽実習

コンテナ苗とは
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コンテナから苗を取り出している様子
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取り出した苗。根鉢が細長く、根がまっすぐ伸びている。
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生分解性不織布コンテナ苗。植樹会等で使いやすい。
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植栽器具:コンテナ苗は根鉢が細長いため、クワ(左)の場合刃が細長い。ディプル(右)を使えば差し込むだけで良い。
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ディプルを使った穴あけの様子。
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足を踏み込むだけで穴が掘れる。
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苗を穴に差し込み、踏み込めば作業完了。Lコンテナ苗07.jpg
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参加者全員で植え付け。
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終わりの会:約40名の参加のもと有意義な研修会でした。
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posted by Forester at 16:39| インストラクター活動全般

2018年01月15日

2018年山の神祭

平成30年1月14日、やどりき水源林 祠前にて、一年の山仕事の安全と森林づくりボランティア活動のさらなる隆盛を祈念して、かながわ森林インストラクター81名が参加して「山の神祭」が執り行われました。

祭事準備
森林文化部会の皆さんは朝早くから集合し、祭事準備を行いました。
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玉串奉奠(たまぐしほうてん)に使う榊(サカキ)に、紙垂(しで)を結び付けます。

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昨年末に作成したしめ縄に、紙垂を取り付けます。

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祠内部のお供え

祭事
式次第に沿い、お払いの儀→祝詞奏上(のりとそうじょう)→玉串奉奠(たまぐしほうてん)→直会(なおらい)、の順に祭事を執り行い、この一年の活動の安全を祈願しました。
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お払いの儀

D祝詞奏上.jpg
祝詞奏上

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玉串奉奠

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直会

祭事の直会(なおらい)は神聖な礼講として執り行いましたが、祭事終了後の直会は無礼講です。奉納された神酒や、縁起ものの鯣や目刺しを頂き、会員間の親交を深めました。
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新年会
午後からは、松田町の割ぽう料理店で、15期生歓迎会を兼ねた新年会を行いました。
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posted by Forester at 22:27| インストラクター活動全般

2017年12月22日

正月準備

山の神祠の大掃除&しめ縄作りとミニ門松づくりを行いました。(12月17日実施)

山の神祠の大掃除&しめ縄作り
やどりき水源林の林内には、山での活動の安全を祈願する山の神を祀る祠があります。そして、毎年年末には祠の大掃除を行います。今年も森林文化部会が主催し、有志が集まり、しめ縄作りと大掃除を行いました。

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古いしめ縄の取り払い

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祠の回りの清掃

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祠の中もきれいにしました。

しめ縄作り

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藁を水につけ湿らせます。こうすることで藁の強度が上がります。

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槌で叩いてしごきます。藁に柔軟性が加わり作業がしやすくなります。

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藁屑取り。藁を一本一本丁寧にきれいにして行きます。

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藁がバラバラにならないように端から10センチくらいのところを紐で縛っておきます。

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藁をを3等分にして結っていきます。

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藁をつぎ足して長くして行きます。

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完成したしめ縄を、祠と鳥居に取り付けました。

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取り付け完成。紙垂(しで)は”山の神祭”本番前に取り付けます。


ミニ門松づくり
森林文化部会の主催で、ミニ門松づくりを行いました。

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リーダーの森林インストラクターによる説明

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先ず、植木作業の基本”男結び”の練習を行いました。

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太い竹の周りを畳表で巻き、シュロ縄を男結びします。その竹の中に藁を詰め込み、先を斜めに切った3本の竹を差し込みます。

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松、ユズリハ、ナンテンで飾り付けます。

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完成品を前にして、参加者全員で集合写真。

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自宅に持ち帰り、玄関内に飾り付けました。
posted by Forester at 15:36| インストラクター活動全般

2017年12月08日

晩秋の水源林

四季折々、行くたびに違う姿を見せてくれるやどりき水源林ですが、11月中旬から12月上旬にかけて、紅葉に染まる水源林は一見の価値があります。12月2日の水源林の様子です。

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寄大橋の上から下流側を望むと、赤、黄、緑のパッチワークのような山肌が目に焼き付きます。

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様々な活動の拠点になっている集会棟も、落葉の向こうにひっそりとたたずんでいます。

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林道側から見た集会棟と黄葉。

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林道を歩いていると、鮮やかなイロハモミジの紅葉が目に留まります。

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イロハモミジの向こうから、堰堤を落ちる水音が少し寂しげに響いてきます。

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紅葉とススキ。

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10月頃と4月上旬頃の年2回開花するジュウガツザクラは、この時期もチラホラ花を咲かせています。

この日は普及啓発部会の研修を行いました。テーマは「木育」です。
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posted by Forester at 21:17| 水源林トピックス

2017年08月12日

やどりき水源林のつどい

8月5日“第16回やどりき水源林のつどい”が開催され、やどりき水源林は多くの来訪者でにぎわいました。かながわ森林インストラクターの会は、トレッキング、水生生物観察、森の癒し体験や、交流会会場での丸太切り、クラフトワークなど、多彩なプログラムで、県民の皆様と交流を行いました。
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【午前】水源林トレッキング・水生生物観察・森林癒やし
水源林トレッキング
成長の森・林道・周遊Bコースに分かれ、木々や草花の観察や植樹した木々の生長の見学などを行いました。
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出発前の準備(ヒル除け対策)

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案内板でこれからの行程を説明

水生生物観察
寄沢に住む水生生物の観察を行い、水の中に住む多様な生物を見ることが出来ました。
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寄沢全景

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水生生物の採集

森林癒し体験
やどりき水源林の自然の中に浸り、心と体をリフレッシュしました。
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林の中で横になり、樹冠のゆらぎを感じ、鳥の声に耳を傾けます。

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ハンモックに寝そべり森林浴。沢の水音が心地よいです。

【午後】森林交流会(林間広場にて)
丸太切り体験やクラフト・草笛ほか多数のブースを用意し、参加したみんなさんに楽しんでもらえるよう指導にあたりました。
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クラフトワーク

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丸太切り

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森林癒しブース

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もり・みずカフェのブース

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水生生物観察ブース

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土壌生物観察ブース

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スイカ割り

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寄祭囃子(三ヶ村祭囃子保存会)

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しずくちゃん、ウォービーくん、かなりんちゃん

会場近くで咲いていた花
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ミゾホウズキ(山野の流れのそばに咲きます。)

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ヒヨドリバナ(晩夏から秋にかけて咲きます。フジバカマの仲間)
posted by Forester at 16:32| 水源林トピックス

2017年07月02日

土壌生物・水生生物の調査

私たちの足もとには思いもよらないにぎやかな世界が広がっています。そして水の中は水生生物の世界です。これらの生き物は、生態系の底辺を支える重要な役目を担っています。
やどりき水源林での、土壌生物調査、水生生物調査の様子を紹介します。(6月24日実施)

【土壌生物調査】
@フルイ法:土を掘り、フルイで土をふるって虫を見つける。

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調査地点で、50cm四方の枠を作り、10cmほど土を掘り持ち帰ります。

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白いビニルシートの上で土をフルイにかけます。見つけた虫を、ピンセットや箸、吸虫管で採取します。

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採取した虫を観察します。今回はデジタル顕微鏡・タブレットを用いて、参加者全員で観察しました。

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アヤトビムシ科(体長2〜3mm)

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推定:アワフキorヨコバイ類(カメムシ目)の幼虫(体長5〜6mm)

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ヒゲナガトビムシ科(体長2〜3mm)

Aツルグレン装置
フルイ法では微細な虫を採取することは困難です。ツルグレン装置は漏斗(ろうと)の上に金網(ざる等)をかぶせ、その上に土をのせます。上から熱をかけることで虫は下の方に逃げ、漏斗の下に落下します。漏斗の下に置いた容器に落ちた虫を観察します。今回は熱源として使い捨てカイロを使用しました。
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容器(シャーレ)には水が張ってあります。2匹の甲虫の幼虫が、表面張力で水面に浮いた状態でバトルを繰り広げていました。顎の大きい黒い方(約5mm)が白い方(約7mm)に襲いかかり、ほどなくして白い方は水底に沈みました。恐るべし土壌生物の弱肉強食の世界。(虫の周囲の光の点は、水面に反射したLEDの光です。)

【水生生物調査】
やどりき水源林では、「水源林の集い」やネットワーク活動で、水生生物観察を行っています。今回、各沢の水生生物調査を行いました。

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沢で採取した水を白ハットに移し、水生生物を抽出します。

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カワトンボの仲間幼虫

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寄沢からは、カジカガエルの鳴き声が聞こえてきます。鳴くのに夢中で近寄っても逃げません。

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カジカ。頭や胸ビレが大きいのが特徴。川底の色によく似た色彩です。
posted by Forester at 00:10| やどりき水生