2018年06月22日

水源の森林づくり街頭キャンペーン

6月1日(金)・2日(土)、横浜開港祭2018が開催されました。
かながわ森林インストラクターの会は、『水を育む森林の大切さ』を知っていただけるよう、(公財)かながわトラストみどり財団と共催でブースを設け、水源の森林づくり街頭キャンペーンを実施しました。
場 所:臨港パーク(横浜みなとみらい)
内 容:水源林紙芝居、森林クイズ、実験コーナー
    丸太切り体験、どんぐりクラフト等
参加者
 1日:参加者91名、インストラクター15名、財団1名
 2日:参加者371名、インストラクター17名、財団2名

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水源の森林づくりブース全景
背後にみなとみらいの高層ビル、そしてブースの前には海。緑にも恵まれた絶好のロケーション。「かながわ水源の森づくり」の青い旗が目印。

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ブース前
次々とお客さんが入ってきます。

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受付
水源林紙芝居、どんぐりクラフトを行うための受付です。また、寄付100円で1回ガラガラ抽選ができます。

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水源林紙芝居
『水を育む森林の大切さ』を知っていただけます。

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水源涵養実験
土だけの容器と植物が生えた容器にそれぞれ水をかけて、流れ出る水の様子を観察します。

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クラフトコーナー
手前が丸太切り、奥がどんぐりクラフトを製作するコーナー。

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どんぐりクラフトの製作
用意されたドングリに顔を書き、木の実や枝も使ってクラフトを製作します。

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ドングリクラフトのサンプル

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目の前の海では、アクアボード_フライングショーが行われていました。
posted by Forester at 17:13| インストラクター活動全般

2018年04月13日

やどりき水源林の春

4月のやどりき水源林は、スミレ等の小さい野草が足元を覆い、ヤマブキの黄い花、モミジイチゴの白い花が林内を彩ります。そして、林では鳥のさえずり、沢からはカジカガエルの鳴き声も聞こえ、一年で最も生命力あふれる季節です。
4月7日に観察・撮影した植物などを紹介します。

スミレの仲間

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タチツボスミレ:もっともふつうに見られるスミレ。(立坪菫)の坪とは庭を指し、身近に見られて立つように生えることに名前が由来する。花は淡紫色で変化が多い。花柄(花をつけている柄の部分)は無毛。葉は卵形。托葉はくしの歯状。

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オトメスミレ(シロバナタチツボスミレ):タチツボスミレの白花品種には、「オトメスミレ」がありますが、オトメスミレは距に赤紫色が残ったもので、距まで全部白いものを「シロバナタチツボスミレ」としています。中間的なものも多く、写真の個体は、左の花には距に赤紫色がわずかにあるようなので、オトメスミレのように見えますが、断定するにはもっと詳しく観察しておけばよかったと思います。スミレの同定はなかなか難しいです。

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エイザンスミレ:葉が細かく裂れこむスミレは本種とヒゴスミレだけである。葉の付け根が5つに分かれているのがヒゴ、3つに分かれているのがエイザンである。種類が多く見分けにくいスミレが多い中でも本種は見分けやすい。

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ニョイスミレ:別名ツボスミレ。花は白色で小さく、下弁には赤紫色の脈がはっきり出る。距(花の後部の突起部分)は短くぽってりしている。葉は心形〜腎形。スミレの仲間の中では花期が遅く、この個体もちょうど花が開き始めた頃である。

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アカネスミレ:花の色が茜色なのでこの名がある。全体に短い毛が生えるのが特徴。

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ナガバノスミレサイシン:その名のとおり、長い葉をもつ大型のスミレである。サイシンは、葉の形がウスバサイシン(ウマノスズクサ科)に似ていることから付けられた。花色は白に近い淡紫色〜淡青紫色。

その他の野草

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ミヤマキケマン:花は総状花序につき、狭長楕円形。ミヤマの名前があるが深山には生えない。山地の河原や低地の崖などの土が崩れているような所に生える。

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ジロボウエンゴサク:エンゴサク(延胡索)の仲間は、地下に塊茎を作る多年草。昔、スミレを太郎坊(タロボウ)、このエンゴサクを次郎坊(ジロボウ)と呼び、2つの花の距を引っ掛けて引き合うという子供の遊びから、ジロボウエンゴサクの名前がつけられた。

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ヤマルリソウ:林道で、星のように輝くヤマルリソウがたくさん咲いているのを見つけました。

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ミヤマハコベ:花弁は5枚だが、深く2裂するので10弁花に見える。深山に多いわけではなく、山の中で普通に見られる。

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トウゴクサバノオ:キンポウゲ科。花が終わると緑色の細長い実が2つ、対になってつく。これが鯖の尾のようだということと、関東地方に多いことから「東国鯖の尾(とうごくさばのお)」の名が付けられた。

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ウラシマソウ:花の中から伸びた糸状の付属体がよく目立つ。これを浦島太郎の釣り糸に見立ててこの名がある。長く伸びた糸の部分は、昆虫(キノコバエ)を花の内部にまで誘導する誘導路であると考えられている。

花の咲く木

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ミツバアケビ:アケビとともに秋の味覚として親しまれてきたつる性の植物で、3枚の小葉があることからミツバアケビとよばれる。花序の先端に十数個の小型の雄花を10〜30個ほどつけ、基部に大型の雌花を1〜3個つける。

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ヤマブキ:低山や丘陵地に普通に生える落葉の低木。美しい山吹色の花が咲くので『万葉集』にも詠まれるなど、古くから観賞されてきた。太田道灌の逸話は有名。

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モミジイチゴ:葉の形がモミジに似ているというので、モミジイチゴという名がついた。白い花が下向きに咲く。果実は5月頃に黄色に熟す。食べると美味しい。

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クロモジ:雌雄異株で、葉に先だって葉脇に淡黄緑色の小花を密集してつける。めしべの花柱が見えないので、この木は雄株と思われる。

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アブラチャン:花は同時期に咲く同じクスノキ科のダンコウバイとよく似ているが、花柄がつくので区別はできる(ダンコウバイは花柄がない)。

春の息吹

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ヤマアカガエルの卵:ヤマアカガエルの成熟した雌は毎年ひとつの卵塊を産む。早春に卵を産むのは、水生昆虫やヘビなどの天敵を避けてなるべく早くオタマジャクシを大きくする戦略だと言われている。
一方、沢筋に多く生息するカジカガエルは、流れのある沢の砂地に産むことで天敵から卵を守っている。そのため、産卵は4月から7月まで長い期間にわたる。

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芽吹き始めた樹木と青い空。風薫る五月ももうすぐ。
posted by Forester at 22:41| 水源林トピックス

2018年03月09日

森林インストラクターブラッシュアップ研修(無花粉スギ、コンテナ苗)

3月4日、今年度最後(第4回目)のブラッシュアップ研修が、県立21世紀の森で開催されました。
講師は神奈川県自然環境保全センター研究連携課の斉藤主任研究員。神奈川県が進めている「無花粉スギの育種」と、今後植栽木の主流となる「コンテナ苗」の扱いについて講義と現地での植栽方法を学びました。

1.無花粉スギの育種について

講義風景
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無花粉スギの原理
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雄花の採取風景
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通常のスギの雄花(左)、無花粉スギの雄花(右)
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チャック付きの袋に入れて雄花を観察。一見して同じように見えるが、割れ目が通常のスギ(左)が黄色に対し、無花粉スギ(右)は白っぽい。
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雄花をペンチでつぶした状態
通常のスギ(左)では多量の花粉を放出するが、無花粉スギ(右)では花粉は出ず不定形の塊りや液状の物質が出る。
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2.コンテナ苗植栽実習

コンテナ苗とは
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コンテナから苗を取り出している様子
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取り出した苗。根鉢が細長く、根がまっすぐ伸びている。
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生分解性不織布コンテナ苗。植樹会等で使いやすい。
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植栽器具:コンテナ苗は根鉢が細長いため、クワ(左)の場合刃が細長い。ディプル(右)を使えば差し込むだけで良い。
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ディプルを使った穴あけの様子。
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足を踏み込むだけで穴が掘れる。
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苗を穴に差し込み、踏み込めば作業完了。Lコンテナ苗07.jpg
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参加者全員で植え付け。
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終わりの会:約40名の参加のもと有意義な研修会でした。
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posted by Forester at 16:39| インストラクター活動全般

2018年01月15日

2018年山の神祭

平成30年1月14日、やどりき水源林 祠前にて、一年の山仕事の安全と森林づくりボランティア活動のさらなる隆盛を祈念して、かながわ森林インストラクター81名が参加して「山の神祭」が執り行われました。

祭事準備
森林文化部会の皆さんは朝早くから集合し、祭事準備を行いました。
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玉串奉奠(たまぐしほうてん)に使う榊(サカキ)に、紙垂(しで)を結び付けます。

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昨年末に作成したしめ縄に、紙垂を取り付けます。

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祠内部のお供え

祭事
式次第に沿い、お払いの儀→祝詞奏上(のりとそうじょう)→玉串奉奠(たまぐしほうてん)→直会(なおらい)、の順に祭事を執り行い、この一年の活動の安全を祈願しました。
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お払いの儀

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祝詞奏上

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玉串奉奠

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直会

祭事の直会(なおらい)は神聖な礼講として執り行いましたが、祭事終了後の直会は無礼講です。奉納された神酒や、縁起ものの鯣や目刺しを頂き、会員間の親交を深めました。
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新年会
午後からは、松田町の割ぽう料理店で、15期生歓迎会を兼ねた新年会を行いました。
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posted by Forester at 22:27| インストラクター活動全般

2017年12月22日

正月準備

山の神祠の大掃除&しめ縄作りとミニ門松づくりを行いました。(12月17日実施)

山の神祠の大掃除&しめ縄作り
やどりき水源林の林内には、山での活動の安全を祈願する山の神を祀る祠があります。そして、毎年年末には祠の大掃除を行います。今年も森林文化部会が主催し、有志が集まり、しめ縄作りと大掃除を行いました。

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古いしめ縄の取り払い

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祠の回りの清掃

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祠の中もきれいにしました。

しめ縄作り

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藁を水につけ湿らせます。こうすることで藁の強度が上がります。

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槌で叩いてしごきます。藁に柔軟性が加わり作業がしやすくなります。

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藁屑取り。藁を一本一本丁寧にきれいにして行きます。

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藁がバラバラにならないように端から10センチくらいのところを紐で縛っておきます。

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藁をを3等分にして結っていきます。

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藁をつぎ足して長くして行きます。

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完成したしめ縄を、祠と鳥居に取り付けました。

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取り付け完成。紙垂(しで)は”山の神祭”本番前に取り付けます。


ミニ門松づくり
森林文化部会の主催で、ミニ門松づくりを行いました。

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リーダーの森林インストラクターによる説明

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先ず、植木作業の基本”男結び”の練習を行いました。

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太い竹の周りを畳表で巻き、シュロ縄を男結びします。その竹の中に藁を詰め込み、先を斜めに切った3本の竹を差し込みます。

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松、ユズリハ、ナンテンで飾り付けます。

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完成品を前にして、参加者全員で集合写真。

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自宅に持ち帰り、玄関内に飾り付けました。
posted by Forester at 15:36| インストラクター活動全般

2017年12月08日

晩秋の水源林

四季折々、行くたびに違う姿を見せてくれるやどりき水源林ですが、11月中旬から12月上旬にかけて、紅葉に染まる水源林は一見の価値があります。12月2日の水源林の様子です。

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寄大橋の上から下流側を望むと、赤、黄、緑のパッチワークのような山肌が目に焼き付きます。

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様々な活動の拠点になっている集会棟も、落葉の向こうにひっそりとたたずんでいます。

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林道側から見た集会棟と黄葉。

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林道を歩いていると、鮮やかなイロハモミジの紅葉が目に留まります。

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イロハモミジの向こうから、堰堤を落ちる水音が少し寂しげに響いてきます。

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紅葉とススキ。

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10月頃と4月上旬頃の年2回開花するジュウガツザクラは、この時期もチラホラ花を咲かせています。

この日は普及啓発部会の研修を行いました。テーマは「木育」です。
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posted by Forester at 21:17| 水源林トピックス

2017年08月12日

やどりき水源林のつどい

8月5日“第16回やどりき水源林のつどい”が開催され、やどりき水源林は多くの来訪者でにぎわいました。かながわ森林インストラクターの会は、トレッキング、水生生物観察、森の癒し体験や、交流会会場での丸太切り、クラフトワークなど、多彩なプログラムで、県民の皆様と交流を行いました。
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【午前】水源林トレッキング・水生生物観察・森林癒やし
水源林トレッキング
成長の森・林道・周遊Bコースに分かれ、木々や草花の観察や植樹した木々の生長の見学などを行いました。
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出発前の準備(ヒル除け対策)

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案内板でこれからの行程を説明

水生生物観察
寄沢に住む水生生物の観察を行い、水の中に住む多様な生物を見ることが出来ました。
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寄沢全景

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水生生物の採集

森林癒し体験
やどりき水源林の自然の中に浸り、心と体をリフレッシュしました。
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林の中で横になり、樹冠のゆらぎを感じ、鳥の声に耳を傾けます。

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ハンモックに寝そべり森林浴。沢の水音が心地よいです。

【午後】森林交流会(林間広場にて)
丸太切り体験やクラフト・草笛ほか多数のブースを用意し、参加したみんなさんに楽しんでもらえるよう指導にあたりました。
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クラフトワーク

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丸太切り

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森林癒しブース

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もり・みずカフェのブース

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水生生物観察ブース

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土壌生物観察ブース

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スイカ割り

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寄祭囃子(三ヶ村祭囃子保存会)

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しずくちゃん、ウォービーくん、かなりんちゃん

会場近くで咲いていた花
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ミゾホウズキ(山野の流れのそばに咲きます。)

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ヒヨドリバナ(晩夏から秋にかけて咲きます。フジバカマの仲間)
posted by Forester at 16:32| 水源林トピックス

2017年07月02日

土壌生物・水生生物の調査

私たちの足もとには思いもよらないにぎやかな世界が広がっています。そして水の中は水生生物の世界です。これらの生き物は、生態系の底辺を支える重要な役目を担っています。
やどりき水源林での、土壌生物調査、水生生物調査の様子を紹介します。(6月24日実施)

【土壌生物調査】
@フルイ法:土を掘り、フルイで土をふるって虫を見つける。

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調査地点で、50cm四方の枠を作り、10cmほど土を掘り持ち帰ります。

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白いビニルシートの上で土をフルイにかけます。見つけた虫を、ピンセットや箸、吸虫管で採取します。

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採取した虫を観察します。今回はデジタル顕微鏡・タブレットを用いて、参加者全員で観察しました。

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アヤトビムシ科(体長2〜3mm)

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推定:アワフキorヨコバイ類(カメムシ目)の幼虫(体長5〜6mm)

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ヒゲナガトビムシ科(体長2〜3mm)

Aツルグレン装置
フルイ法では微細な虫を採取することは困難です。ツルグレン装置は漏斗(ろうと)の上に金網(ざる等)をかぶせ、その上に土をのせます。上から熱をかけることで虫は下の方に逃げ、漏斗の下に落下します。漏斗の下に置いた容器に落ちた虫を観察します。今回は熱源として使い捨てカイロを使用しました。
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容器(シャーレ)には水が張ってあります。2匹の甲虫の幼虫が、表面張力で水面に浮いた状態でバトルを繰り広げていました。顎の大きい黒い方(約5mm)が白い方(約7mm)に襲いかかり、ほどなくして白い方は水底に沈みました。恐るべし土壌生物の弱肉強食の世界。(虫の周囲の光の点は、水面に反射したLEDの光です。)

【水生生物調査】
やどりき水源林では、「水源林の集い」やネットワーク活動で、水生生物観察を行っています。今回、各沢の水生生物調査を行いました。

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沢で採取した水を白ハットに移し、水生生物を抽出します。

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カワトンボの仲間幼虫

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寄沢からは、カジカガエルの鳴き声が聞こえてきます。鳴くのに夢中で近寄っても逃げません。

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カジカ。頭や胸ビレが大きいのが特徴。川底の色によく似た色彩です。
posted by Forester at 00:10| やどりき水生

2017年05月04日

やどりき水源林のカモシカとムササビ

春から初夏のやどりき水源林は、鳥のさえずりや、カジカガエルの鳴き声でにぎやかです。
うまくすると、カモシカやムササビにも出会えるかもしれません。
会員がニホンカモシカ、ムササビの写真を撮ってきてくれましたので、紹介したいと思います。
(撮影:ムササビ5月3日、ニホンカモシカ4月30日)
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【ニホンカモシカ】
カモシカというと奥山に生息しているイメージがありますが、やどりき水源林でも3月から5月ぐらいにかけて、それほど珍しくなく目にすることができます。
ニホンカモシカがこの時期に麓近くまで降りてくるのは、芽吹きの時期に合わせているのではと考えられています。新芽を食べに来ていて、だんだん山の上にあがっていき、夏以降はほとんど目にすることはなくなります。

ニホンカモシカはシカ科ではなく、ヤギに似た反すう偶蹄類ウシ科に属する日本固有種です。 昭和9年に天然記念物指定され、昭和30年には特別天然記念物に指定されました。
シカとの違いは、シカはオスだけが枝別れした角を持ち毎年生え変わるのに対し、カモシカは雌雄共に角を持ち、シカと違い生え変わりが無い一生ものの角です。

またシカは群れを作って行動するのに対し、カモシカは群れを作らず、それぞれが一定の行動範囲に定着しています。1頭の行動圏は雄15ha、雌10haほど。縄張り意識が強く同性に対しては排他的だが、 雄と雌で縄張りが重なっているとつがいになり、この関係が長く続く。 繁殖期は10月に始まる。雄はすぐ離れてしまい、雌は半年後の春から初夏に1頭出産し1年間は子連れでいる。寿命は15年ぐらいです。

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4〜5mぐらいに接近しても逃げることなく反芻を始めました。30分ほど付き合ったのち撮影者の方から離れました。

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カモシカの角輪:角には毎冬に形成される年輪(角輪)があり、年齢を推定することができます。

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過去に撮影したニホンカモシカ(上:2007年3月28日、下:2010年4月4日)


【ムササビ】
ムササビはリスの仲間ですが、前足と後足の間には大きな皮膜があり、樹間を滑空することができます。樹洞などを利用して巣穴を作ります。似た仲間にモモンガがいますが、一番の違いは大きさです。滑空している姿は、ムササビは座布団ほど、モモンガはハンカチ程度です。
ムササビもモモンガも、やどりき水源林に生息しているのが確認されています。いずれも夜行性ですが、運がよければ日中にムササビの昼寝姿?を見ることができます。

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スギの樹洞を利用した巣穴から、ムササビが顔を出していました。かなり眠そうです。

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巣箱から顔を出したムササビ。ぱっちりした目がかわいいですね。

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かながわ森林インストラクターの会は、県と協働して、ムササビやモモンガの保護を目的に、それぞれにあった巣箱を作成して水源林内に設置してきました。中には経年変化で痛みが出てきたものもあり、それらについて、新しいものに取り換える作業を行いました。(写真は新しく作成した巣箱(2016年6月作成)、取り換え時(2016年10月)の様子です。)
上のムササビは、この時に取り換えた巣箱を使用していました。
posted by Forester at 17:24| やどりき動物

2017年04月20日

4月のやどりき水源林

4月のやどりき水源林はにぎやかです。マメザクラ、ソメイヨシノ、ジュウガツザクラなどの桜の仲間が開花し、クロモジ、アブラチャンなどは林間で控えめに咲いています。
足元では、ヤマルリソウやフデリンドウ、ミヤマキケマンなどを観察することが出来ます。
そして春は小鳥たちにとって恋の季節。林の中からは、シジュウカラ、ホオジロなどのさえずりが聞こえ、姿を見ることが出来ます。
カエルたちも卵を産み始めました。

【足元の花】
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ミヤマキケマン:「ミヤマ」の名があるが、深山に生えるわけではありません。日当たりのよい山地や林の縁に多く生えます。

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フデリンドウ:「リンドウ」は秋の花のイメージが強いが、春に咲くのもあります。最も普通なのは本種で、日当たりのよい林縁や草地に生えます。つぼみの形が筆の穂先のようなのでこの名が付きました。

【鳥】
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ホオジロ:名は「頬白」ですが、実際に細長い白斑があるのは目下あたり。繁殖期には高い枝先で長く美しい声でさえずります。


【カエル】
やどりき水源林では、ヤマアカガエル、アズマヒキガエル、カジカガエルの3種類のカエルが確認されています。4月中旬以降からは、カジカガエルの鳴き声を聞くことが出来ます。

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ヤマアカガエル:体長は5cmほど。色は赤みがかった褐色で、背面には筋状の隆起(背側線)がある。ヤマアカガエルの卵塊は、ゼリー状のかたまりになっています。

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アズマヒキガエル:体長は10cmを越え、どっしりと大きい。アズマヒキガエルの卵塊は、透明な長いチューブ状になっています。

【アズマヒキガエルの抱接】
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下にいるのがメス。上に重なって抱きしめているのがオスです。ほとんどのカエルがメスの方が大きく、2倍ぐらい違うものもいます。
水のない所で暮らしているカエルも、受精する時は水辺にやってきます。そして水の中で、オスがメスの背中の上に乗り、前肢でメスの腹を抱きかかえます。これは“抱接”と呼ばれる行動で、体外受精のカエルは“交尾”はしません。 オスがメスの腹を強く押すことにより、メスは卵を放出します。オスはその上から精子を放出して受精させるのです。
繁殖期のオスにはメスを抱接する際に滑り止めとして後肢にコブ(婚姻瘤)ができ、これでメスに抱きつき、ちょっとやそっとのことでは離れることがありません。
posted by Forester at 13:12| 水源林トピックス